本当に伝えるべき価値

映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台の副音声を鑑賞し、その副音声で制作の裏側を知る機会がありました。そこで強く感じたのは、「何を足すか」ではなく、「何を捨てるか」が価値を決めるという視点です。

制作の現場では、本来入れたかった要素や表現が数多くあったにもかかわらず、「本当に伝えたいことを一番伝わる形にするために削る」という判断が繰り返されていたと語られていました。この取捨選択があるからこそ、メッセージがブレず、観る人の心にまっすぐ届く作品になるのだと感じました。

この考え方は、コインランドリー経営においても非常に重要です。店舗づくりでは、「あれも強み、これも強み」と多くを詰め込みすぎると、結果として何が特徴なのか分からない店になってしまいます。たとえ、無添加洗剤や軟水、ウルトラファインバブル、消臭機能、清潔感のある内装といった価値が揃っていたとしても、「何を一番伝えるのか」を決めなければ、お客様には届きません。

広告宣伝においても同様です。チラシやポスティング、Web広告などで情報を詰め込みすぎると、読み手は結局何も覚えてくれません。「この店は◯◯が一番良い」と一言で言い切れる状態をつくること。そのために、あえて伝えないことを決める勇気が必要です。

営業現場でも、「全部説明したい」という気持ちが、かえって相手の理解を妨げてしまうことがあります。本当に伝えるべき価値を一つに絞り、それをどうすれば最も伝わるかを考え抜く。この積み重ねが、選ばれる理由を生みます。

コインランドリー業界は競争が激しいからこそ、「足し算」ではなく「引き算」の発想が求められます。何をやるか以上に、何をやらないか。何を伝えるか以上に、何を伝えないか。

取捨選択を繰り返しながら、最も伝わる一点を磨き続けること。それこそが、地域で選ばれるコインランドリーをつくる本質ではないでしょうか。

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